工事の必要性
そもそもなぜ、大規模修繕が必要なのでしょうか。
日常管理で補修や清掃を行っていればいいのでは??
と思われた、または思っている方も多いと思います。
ですが、日常管理ではフォローしきれない「老朽化」というものがあるのです。
例えばのお話
たとえば「ひび割れ」
数箇所であれば、業者を呼んで補修を行うことが容易にできます。
ですが、建物の壁をよ~く見てみてください。(※特に開口部周りがひび割れの入りやすいポイントです。)
”壁”と一言でいっても、廊下・階段・エントランス・屋上・バルコニーなどなど…
日常生活では気づかないようなひび割れが多く見受けられることでしょう。
これらを修復するのには一日では終わらないどころか
バルコニーに入るには住戸内に立ち入らなければなりません。
また、廊下や階段のように”床”がある場所はまだしも、”床”がない外壁はどうでしょう?
外壁は外観を決める部位でもあり、建物の資産価値にもつながります。
「直して!!」といっても、足場を確保しなければ補修そのものが不可能です。
「足場」
大規模修繕工事を実施するうえで、大きなポイントは「足場の設置」です。
普段なら工事をしにくい”バルコニー”や”外壁”も足場を設置することで、工事可能になります。
ですが、この「足場の設置」は想像以上に高額です…。
ひび割れが生じる度に設置するのは金額的にも難しく、
バルコニーの前を他人が横切るというのは、プライバシーの観点からも好ましくはありません。
そのため、一定の時期にまとめてひび割れの補修をしてやろう!!というのが「大規模修繕工事」です。
ちなみに、今説明している「大規模修繕工事」は、建築基準法の中の「大規模な修繕」とは異なるものです。
なので確認申請などの手続きは不要です。(地域によって、外壁色の変更で届出が必要な場合などがあります。)
足場を設置し、それなりの金額がかかる工事は、居住者の皆様にとっては大規模な工事です。
そのため「大規模修繕工事」と呼ばれていますが、気になる方は「大掛かりな補修工事」と解釈してみてください。
一定の時期
ではでは、一定の時期とはどれくらいなのでしょうか?
塗料や各建具類などの材料には対応年数と呼ばれるものがあります。
また、コンクリートやタイル張り面の補修に対する時期などもあります。
これらを、ある程度の範囲で定めている資料が国土交通省など多くの事業や文献から発表されています。
総合的に見て10年~15年の間が多くの資料に明記されている時期です。
建物の立地や地域の環境によって劣化の進行具合は異なりますので
「大規模修繕工事」実施の際は、建物の調査を行い、劣化の進捗具合を確認することが必要です。
《参考》
国土交通省 → こちら